椎葉村で縄文時代から続く農法「焼き畑」を
守り続けている椎葉クニ子さん(90)の元を、
東京アイヌ協会名誉会長の浦川治造さん(75)が
このほど訪れました。
2人は山中での神事や焼き畑の見学などを通して
互いの文化について語り合い、交流を深めました。
門川町で地域おこしに取り組むグループ「かどがわ一本松倶楽部」が企画。
約20年前から同倶楽部と親交がある浦川さんが、
テレビ番組を通して椎葉さんと焼き畑のことを
知り交流を希望し、実現しました。
浦川さんは、椎葉さんの案内で焼き畑を行っている同村不土野の山に入り、
アイヌ民族の神事「カムイノミ」を行いました。
「全てのものに神が宿っている」というアイヌの信仰に基づく行事で、
山の恵みや安全に祈りをささげる様子を、
椎葉さんも興味深げに見守りました。
その後、今夏に火入れをした急傾斜地のソバ畑を見学。
椎葉さんは「1年目はソバ、2年目はヒエとアワ、3年目は小豆、
4年目は大豆を育て、20年ほどをかけ雑木林に戻す」といった焼き畑の手法や、
先祖代々受け継ぐ種を絶やさぬよう続けていることなどを語りました。
浦川さんは「天から降りて来たものに不要なものは何もない、
全ての恵みに感謝するというのがアイヌの教え。
椎葉に来て、共通するものを感じた」と話していました。
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