東日本大震災の被災地・岩手県で移動図書館プロジェクトを立ち上げた
鎌倉幸子さん(42)の講演会は6月29日、
川南町立図書館でありました。
図書館関係者や読み聞かせボランティアら約40人が出席し、
被災者を支えた体験談に聞き入りました。
鎌倉さんは、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(東京都)で広報課長を務め、
2011年3月11日の震災直後に被災地入りしました。
7月からは岩手県に拠点を構え、軽トラックの荷台に小説や絵本などを積んで
避難所や仮設住宅の巡回を始めました。
当初は「まだ本なんて読む気になれない」といった否定的な意見もありました。
しかし、雪や台風の日も休まずに根気強く活動を続けるうちに
利用者は増加しました。
「あの日、何が起きたのか知りたい」という声に応え、
現在では震災関連の本も置いてるといいます。
昨年は延べ1万4千人が利用しました。鎌倉さんは
「本を通じて住民と会話ができた。図書館は
単に本の貸し借りの場だけではない」と、図書館や本の力を説明しました。
最後に「人が一歩踏み出そうとしているときに
(図書館が)扉を開いていることは大切。
最後まで寄り添っていきたい」と締めくくりました。
(宮崎日日新聞 7月4日 抜粋)
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