日南市北郷町北河内板谷の県道沿いに、伐採後の切り株をそのまま利用した
チェーンソーアートや、丸太を使ったシカや馬の像など独特な作品群が突如現れます。
杉林を整備し作品を手掛けているのは同所出身の
井脇満敏さん(61)=同町郷之原=自然豊かな山あいの景色とユニークな作品を
訪れる人に楽しんでもらいたいと、1年余りかけて整備してきました。
40年以上勤めた関西の企業を昨年定年退職後、母アヤ子さん(84)が住む
同町にUターンしました。管理が行き届かず荒れ放題になっていた所有林の
整備を始めました。敷地内のオブジェなどの作品は全て井脇さんが制作しました。
他にも訪れた人たちに喜んでもらおうと、敷地内にはシーソーや
ブランコのほか、手作りのおもちゃも多数置かれています。
杉丸太を使った4畳半ほどの休憩小屋や、敷地内外を見渡せるほどの
あずまやも設置しました。色鮮やかな緑の山々が目の前に
広がるあずまやは、猛暑日でも広瀬川から吹き上げる
爽やかな風が心地よい絶好の”隠れ家”です。
天気がいい日は必ず井脇さんとともに作業に汗を流すアヤ子さんは膝と目を悪くしたが、
草むしりなどの軽作業や、ときにはあくまき作りなどを楽しむようです。
「山に来ると元気がもらえて張り合いが出る」と、
アヤ子さんは目を細めました。
同所をよくドライブがてら訪れる鹿児島県在住の井脇さんの姉敬子さん(65)や
8月に帰省する東京都在住の息子家族も、少しずつ発展する
”不思議の世界”の様子を楽しみにしているといいます。
杉を伐採した後、敷地内はサクラの苗木500本を植樹しました。花を咲かせるには
あと4、5年かかるため、「それまでには母にも元気でいてもらわないと」と
願う井脇さんは言います。「携帯電話の電波も入らない場所だからこそ、
じっくりと自然を満喫できる。あずやまでお弁当を広げてもいい。
誰でも気軽に遊びに来てほしい」と呼び掛けています。
お問い合わせは井脇さん TEL080(4247)0183 です。
(宮崎日日新聞 8月4日 抜粋)
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