綾町の照葉樹林で新種のきのこが発見されました。
発見者は都城市の県木材利用技術センター主任研究員・須原弘登さん(41)です。
鳥取大農学部の講師の経歴を持ちキノコの専門家である須原さんは、
「綾の豊かな自然を象徴する発見」と喜んでいます。
2012年7月、同町の生物多様性を調査するため現地を訪れた際、
つり橋近くの遊歩道周辺の岩場に群生するクリーム色のきのこを発見しました。
形態や遺伝子などを詳しく調べて新種と判断し、ドイツの菌類専門学術誌
「マイコロジカル・プログレス」に論文を投稿したところ、
今年の6月に新種と認定されました。
須原さんによると、新種はヨーロッパで食用として好まれるアンズタケの仲間です。
かさの直径は2センチほどしかなく、杯のような形状が特徴です。
一般的なきのこがかさの裏に胞子を作るのに対して、
表側に胞子を作るという点でも珍しいといいます。
綾町を中心とした照葉樹林帯では、これまでも世界的に珍しいきのこが発見されており、
須原さんは「手つかずの自然が残されているからこそ、
こうした変わりもののきのこが見つかるのだろう」と話します。
新種の和名については、「サカズキアンズタケ」を候補に考えています。
(宮崎日日新聞 8月6日 抜粋)
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