伝統文化の継承保存に貢献し、今後も活躍が期待される個人、
団体を表彰する「第35回伝統文化ポーラ賞」の地域賞に
西都市の県指定無形民俗文化財・下水流臼太鼓踊を
伝承する同踊保存会(橋口智俊会長、34人)が選ばれた。
東京五輪など国際イベントで披露された実績や後継者育成に
取り組んでいる点が評価された。
表彰式は10月下旬に東京である。
同賞はポーラ伝統文化振興財団(東京)主催の顕彰事業。
自治体などから推薦を受けた個人や団体から選考する。
本年度は全国から122件の推薦があり、優秀賞2件、
奨励賞1件、地域賞に同保存会を含む5件が選ばれた。
同踊は同市下水流地区に江戸時代から伝わるとされ、太鼓を胸に
抱え、色鮮やかな約3メートルの幟(のぼり)を背負った踊り手
16人と、鉦(かね)を持った4人、歌い手4人の計24人が
輪になったり十字の隊列を組んだりする勇壮な舞が特徴。
八朔(はっさく=旧暦の8月1日)の朝から夕方にかけて
南方神社(五穀豊穣=ほうじょう)、一ッ瀬川の河原(水難よけ)、
下水流公民館(火難よけ)でそれぞれ奉納される。
地区の長男への世襲による伝承を続けてきたが、近年は地元の
穂北中の生徒に技術指導を行うなどして将来的な担い手の
確保に向けて取り組んでいる点なども評価された。
橋口会長は「後継者の確保などは郷土芸能共通の課題だが、
受賞を励みに伝承に力を入れていきたい」と話している。
ことしは9月13日に奉納がある。
(宮崎日日新聞 9月3日より抜粋)
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