波の音が聞こえそう―。延岡市北浦町の住民運営型デイサービス
「北浦元気塾」が拠点としている北浦小・旧宮野浦分校校舎に、
県内外からひそかに訪れる人が絶えない貝殻の部屋がある。
並んでいるのは、同町古江の運送会社事務員、日髙葉子さん(55)が
13年かけて浜辺で拾い集めたコレクション1万点以上。
色や模様もさまざま。大きさも米粒大から手のひらサイズまで多彩で、
日髙さんは「自然の癒やしを感じてほしい」と、
少しずつ貝を増やしている。
貝殻の収集は次男の高校受験前に、近くの下阿蘇ビーチで
願掛けしながら集めたのが始まり。
貝に興味はなかったが次男の合格後もやめられなくなり、
子育て後の楽しみにと、インテリアとして
自宅近くの事務所に飾っていた。
口コミで見に来る人が増えたため、5年前には自宅にコレクションを移動。
母の河野カネ子さん(80)が通う元気塾コーディネーター、
河野奈美子さん(56)の勧めで、同塾が利用している
校舎2階の教室に、2年前から少しずつ運び込んだ。
学校の絵本や跳び箱、机などで分校の雰囲気を
壊さないよう飾り付けたという。
河野さんは「殺風景だった廃校の教室が、貝殻で明るく海をイメージする
場所に変わった。いろんな思い出を語る塾生もいて、
若い人が宮野浦に足を運ぶきっかけになっている」と、
思いがけない効果を感じている。
元気塾は原則、毎週木曜日に開く。
問い合わせは北浦町社会福祉協議会
0982(45)2427
(宮崎日日新聞 9月7日より抜粋)
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