西米良村の神楽を研究しようと5月から同村に長期滞在している
大学生がいる。
宇都宮大国際学部4年の東野朱音さん(21)=宇都宮市=は、
同村の「ワーキングホリデー制度」を活用し、農作業を手伝う
傍ら、神楽の舞い手などに聞き取り調査を実施。
生活に息づく地域の協力体制や農業の魅力なども学んでいる。
東野さんは地域社会学の研究室に所属。
通常は夏休みなどの1~2ヶ月間を利用し各地で実地調査を
行い卒業研究をするが、「就職活動のことなど考えず
集中して取り組みたい」と、4月から同大学を
1年間休学し、先輩の紹介で、同村村所の
空き家を借り人生初の1人暮らしを
始めた。
村では週2回、村内の農家に出向き、カラーピーマンの収穫や
選別作業を手伝い、合間に舞い手や神社の宮司などに聞き取り
調査を続ける。
51万人が住む都会から村へ移った当初は「少し驚きや戸惑い
もあった」という東野さんだが、「今は通りを歩けば声を
掛けてもらい、飲み方にも誘われる。知り合いは
こちらの方が多いかも」と笑う。
滞在は12月末まで。地区総出で行う葬儀にも参加し
配膳や片付けを担当した東野さんは「神楽の一体感は
日常の村民同士の声掛けや協力から生まれていると
実感した」と話す。
11月から夜神楽の練習も本格化。
東野さんは「農業を手伝ううちに、故郷の農業にも関心が湧いた。
私にしか見ることのできない神楽の魅力を探っていきたい」と
話している。
(宮崎日日新聞 10月19日 抜粋)
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