20年で達成、継続に意欲
西都市三納の植物研究家、滝一郎さん(85)が同市や県内の植物を紹介する市広報誌の
連載が、5月号で節目の250回を迎えた。足かけ20年で偉業達成を受け、市は12日、
滝さんに感謝状を贈呈。滝さんは研究を支えてくれた亡き妻への感謝を胸に
「植物の『種』は尽きない。できる限り続けたい」と意欲を見せている。
滝さんは同市出身。県内の小中学校に勤務する傍ら、シダや山菜の研究で県内の
第一人者として活躍。1998年に宮崎日日新聞社賞文化賞も受賞している。
連載は94年4月号から「西都原の花ごよみ」としてスタート。2012年5月号から
表題を「みちくさ」と改め、連載を続けている。85歳となった今も原稿はもちろん、
草花の写真も自ら撮影したものを使用。県内の草花や山菜について機微を
交えながら紹介している。
山間部を中心に県内の小中学校を回り、授業以外は植物採取に明け暮れる研究生活を
支えたのは、昨年6月に他界した妻の春子さん=享年80歳。集めた植物の
標本作りは結婚して60年間、春子さんの仕事だった。
橋田和実市長から感謝状を受け取った滝さんは「見知らぬ土地に行くことも多く
苦労を掛けたが、文句も言わず支えてくれた。この表彰も妻と連載を楽しみに
してくださっている人のおかげ」と感謝。
本を執筆中と言い「一ツ瀬川流域の植物についてまとめたい」と衰えない
研究意欲をのぞかせている。
宮崎日日新聞 6月14日より抜粋