宮崎市のマンションで20代女性を殺害し、殺人や死体損壊・遺棄などの罪に問われた
同市吉村町、無職金丸真菜美(24)、住所不定、無職阿部裕美(23)両被告の
初公判が9日に行われました。
事件の中心人物とされる住所不定、無職東竜二被告(29)不在の中、
法廷では検察、弁護側双方が東被告による金の搾取や暴力といった
支配の実態を次々と指摘。
被害者を含む4人の人間関係を解き明かすことに重点が置かれました。
9日午前9時、宮崎地裁204号法廷の入り口には、
傍聴を希望する市民や報道関係者らが列をつくり開廷を待っていました。
金丸、阿部両被告が入廷すると、法廷内の緊張感が高まりました。
金丸被告は、黒のジャケットに黒いパンツ姿、
阿部被告は黒のカーディガンに黒いパンツ姿で、2人とも赤い眼鏡をかけていました。
法廷には被害者の澤木友美さん=宮崎市、当時(27)=の両親と姉も
被害者参加で出廷し公判を見守っていましたが、
傍聴席から見えないようについたてで仕切られていました。
「
タオルで鼻口部をふさぎ、殺害した」。
検察官が訴状を読み上げると、下を向いていた金丸被告はすすり泣き、
ハンカチで顔を押さえていました。
金丸被告の弁護人は「
東にとって女性は奴隷そのものだった」と主張。
東被告が金丸、阿部両被告以外にさらなる”奴隷”を求めた結果が
澤木さんだったと説明しました。
店の客同士として2010年ごろ知り合い、
まもなく金丸被告のマンションで同居し始めた両被告。
11年6月ごろには、阿部被告の交際相手として東被告も2人と暮らし始めました。
その後、東被告は金丸被告とも交際。
さらに12年夏ごろからは澤木さんとも交際を始め、
4人は金丸被告宅で共同生活を送っていました。
検察側、弁護側の冒頭陳述によると、東被告は両被告や被害者らに
「
自分は暴力団幹部だ」「
血液の病気で働けない」などとうそをつき、
金銭の提供や性的処理を強要。
「
他の男性との接触禁止」「
働かない場合は食事や睡眠を制限」などのルールを強いて、
破った場合には暴力を振るっていたといいます。
こうしたルールを検察側は「
東ルール」と呼称。
両弁護側は東被告による支配の末、澤木さんが殺害されたと説明。
両被告は判断能力が低下し、東被告の指示に逆らえない状況だったと強調しました。
澤木さんの母親は公判終了後、被害者遺族代理人を通して
「
やっと裁判を迎えることができた」とコメント。
両弁護側が東被告の指示で殺害に加わったことを強調したことに対して、
「
(両被告も)東被告の被害者の1人であるかのような主張だった。
指示があれば人を殺して平気なのか。被告人2人に反省の態度は感じられなかった」と
述べました。
*3月9日の記事に関連記事が書いています。
宮崎日日新聞 3月10日より抜粋
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