地域の防災力向上に取り組む地方公共団体や自主防災組織などを表彰する
総務省消防庁の本年度の「防災まちづくり大賞」の受賞団体が
2日発表され、3席の日本防火・防災協会長賞に高鍋町が
持田・正ヶ井手地区(約200世帯)などで進める「ノルディックウオーキングを
利用した避難、体力向上」の取り組みが選ばれました。県内自治体の受賞は
初めてです。避難経路をコースに取り入れ、有事の迅速な避難と、
そのために欠かせない高齢者の健康増進を同時に
目指している点が評価されました。
町の主導で2013年に「正ヶ井手ノルディックウオーキングクラブ」
(開田澄子代表)が設立されたのが活動の始まりです。
ノルディックウオーキングは2本の専用ポールを持って歩く健康法で、
体を足とポールの4点で支えるため足腰への負担が少ないです。
60~80代の住民約30人が週1回、地区の公園に集まり、
2キロ程度を歩いています。
全日本ノルデイック・ウォーク連盟公認指導員の資格を持つ
NPO法人児湯・高鍋ライフセービングスポーツクラブ
(東川泰明理事長)の職員2人が毎回付き添い、
歩き方を指導します。公園から約500メートル離れた避難場所・高鍋西中に
定期的に向かい、2階建て校舎屋上に上がり、避難経路も入念に
チェックします。取り組みは評判を呼び、他2地区にも
同様の活動が広がっています。
また、集団で歩くことで顔見知りが増え、世間話などするうちに参加者の
家族構成など、災害時に役立つ情報が自然と頭に
インプットされるといいます。
開田代表(69)は「困りごとを相談し合ったり、しばらく来ていない人の体調を
心配したりと住民の連携が深まった」と効果を実感しています。
「受賞は支えてくださる方々のおかげ」と喜びます。
同大賞には全国97団体から応募があり、主席の総務大臣賞3団体、2席の
消防庁長官賞6団体、日本防火・防災協会長賞10団体が
選ばれました。県内団体では1997年度に
日向市美々津町の「美々津の歴史的町並みを守る会」が
消防長官賞を受けています。
(宮崎日日新聞 2月3日 抜粋)
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