宮崎交通(宮崎市)の路線バスを乗っ取ったなどとして
人質強要処罰法違反の罪に問われた住所不定、無職佐藤成一被告(45)の判決公判は
20日、宮崎地裁でありました。
瀧岡裁判長は「
運転手や乗客に何ら落ち度はなく、
犯行動機は身勝手といわざるを得ない」として、
佐藤被告に懲役5年6月(求刑懲役8年)を言い渡しました。
判決で瀧岡裁判長は「
乗客らの恐怖心は甚大で、社会に与えた影響も大きい」と指摘。
その上で「
自殺できないなら死刑になればいなどという考え方にも陥り、
バスジャックを敢行。背景に精神障害や自殺念慮があったとしても、
大きく考慮するのは相当ではない」と量刑理由を述べました。
「
心神喪失か心神耗弱の状態にあった」との弁護人の主張については、
乗客らへの混乱を防ぐために大声を出さずに乗客らを個別に脅していたことなどから
「
合理的な判断や行動抑制が十分に保たれていたことがうかがえる」として退け、
完全責任能力を認めました。
判決によると、佐藤被告は昨年5月11日午後10時ごろ、
宮崎自動車道都城インターチェンジ(IC)付近を走行中の路線バス内で、
持っていたはさみなどを乗客らに示しバスを乗っ取りました。
その後、えびの市でバスを停車させて運転手ら4人を人質にとり、
警察官に里親を連れてくるよう要求しました。
判決後、佐藤被告の弁護人は控訴について「
判決内容を確認した上で、
本人と相談して判断したい」と話していました。
宮崎日日新聞 2月21日より抜粋
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