宮崎市が同市佐土原町下田島・二ツ立地区に建設を進めていた津波避難タワーが完成し、
7日、開所式がありました。
県内の自治体がタワーを設置するのは初めて。
同地区の住民数より約20人多い200人が収容でき、
地区は今後、避難訓練を重ねて防災意識を高める考えです。
タワーは地区南側の二ツ立神社の敷地内にあり、
鉄筋コンクリート造りの2層構造で幅10メートル、奥行き5メートル。
高さは1層目が6メートル、2層目は9メートルで、
地下には岩盤まで深さ約43メートルのくいが打ち込まれています。
昨年10月に着工し、本体工事費7041万円。
太陽光受電式の証明が3基、非常食と飲料水各200人分と毛布30枚、
簡易トイレなどを収納するベンチも備え付けられています。
標高2・2メートルの同地区は海岸から約900メートルしか離れておらず、
南海トラフ巨大地震が発生した場合、約25分で津波が到達するとされています。
地区内には3階以上の耐震ビルが無く、
約1・7キロ離れた浸水想定区域外に出るには20分以上かかることなどから、
市が2013年から整備を進めてきました。
開所式には地区住民ら約100人が参加。
戸敷市長は「タワーが使われないことが一番だが、
今後はいざというときに備えた対策を積み重ねてほしい」とあいさつしました。
同地区自治会の鎌田会長(73)は「
住民の3分の1が高齢者なので
迅速な避難が難しかったが、タワーができたことで安堵感が生まれた。
来月上旬から訓練を行い、いざというときに備えたい」と話していました。
同市は、郡司分・蛎原地区にも津波避難タワーの建設を進めており、
10日に完成する予定です。
宮崎日日新聞 4月8日より抜粋
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