国の重要無形民族文化財に指定されている「銀鏡神楽」を伝承する西都市銀鏡の
銀鏡神社(濱砂則康宮司)で、神事などを行う拝殿の
建て替え工事が始まりました。
同地区出身で元厚労省職員の濱砂英一さん(66)=東京都江東区=が
材料となるヒノキや建設費を寄進しました。
本殿とともに120年以上前に建設された拝殿の建て替えは初めてです。
英一さんは「地域が元気になればうれしい」と
完成を待ち望んでいました。
旧拝殿は本殿とともに1892(明治25)年に改築されました。
現在、神楽は境内下にある神屋で奉納されるが、
古くは本殿脇に根が残るイチイガシの巨木の枝に鏡を掛けて行われ、
ご神体の龍房山にささげたといわれています。
拝殿は大規模な改修は行っておらず、老朽化が進行していました。寄進の申し出を受け、
今年1月末に同神社の氏子総代などでつくる改築委員会を結成しました。
3月中旬に本殿前の旧拝殿を解体しました。
新しい拝殿は英一さんが所有する山から切り出したヒノキ120本を使用し、
10月中旬までの完成を目指します。10日には同所で地鎮祭があり、
関係者ら約20人が工事の無事を祈願しました。
同地区出身という妻の慶子さん(66)とともに出席した英一さんは「宮崎の
神楽が世界無形文化財登録を目指すという話も聞いている。
神社は残された文化を守っていく施設。
育ててもらった恩を地元に返すことで皆で元気になればうれしい」と話していました。
改築委員長を務める濱砂正光さん(77)は「立派な拝殿を造って
神楽を世界に発信できれば」話しました。
(宮崎日日新聞 4月13日 抜粋)
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