剣道を通じて国際貢献へ。宮崎市の少年剣道場朱雀館道場館長、
大重浩一郎さん(61)は6~15日、フィンランドに渡り
剣道を指導する。ロシアやスウェーデンなどから約100人が
集まる講習会で講師を務めるほか、現地の大学なども訪問する予定。
フィンランドでの指導は3度目。「日本の伝統文化である
剣道の神髄や精神性を伝えたい」と意気込んでいる。
剣道教士7段の大重さんは鹿児島県出身で、小学5年から剣道を始めた。
高校、大学進学後も競技を続け、1976(昭和51)年に県警入り。
国体選手などとして活躍し、2012年の岐阜国体では
本県の団体5位入賞に貢献。昨年3月まで
県警で剣道師範も務めていた。
初めてフィンランドを訪れたのは1997年。同国の剣道連盟から
講師派遣要請を受けた全日本剣道連盟に依頼され、約3カ月間現地で指導した。
2012年には同国の剣道連盟から直接依頼があり、
10日間ほど海外選手に稽古をつけた。
大重さんは現在、県立宮崎病院に勤務。5月に同連盟から依頼書が届いた際は
「新しい職場に移ったばかりで迷惑を掛けるかもしれない」と
辞退も考えたという。しかし2度目の訪問時、下半身不随の同国の友人から
「また故郷にきてほしい」と頼まれたことや、剣道を通じた国際貢献に
職場の理解が得られたため、3度目の訪問を決めた。
現地の講習会では日本剣道形の試合を披露するほか、各地域を回って
剣道の心得なども伝える予定。これまでに800人近くの
海外選手を指導してきた大重さんは「基本技術の大切さとともに、
儒教の教えからくる優しさ正義感、礼儀などの
精神性も伝えたい」と話している。
宮崎日日新聞 7月4日 抜粋
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