都城市吉之元町の土屋牧場で生まれ育った2歳牝馬・キリマオジョウが、
中央競馬で熱い視線を浴びている。
8月にデビューすると、圧倒的な力を見せつけ2連勝。
生産者で馬主の土屋君春さん(78)は「本当によく走る。九州産馬の
星として、大きく羽ばたいてほしい」と心躍らせる。
8月2日に小倉競馬場であった新馬戦では、後続に6馬身差をつけ
鮮烈にデビュー。
好タイムをたたきだし周囲を驚かせた。
注目された同29日の九州産2歳馬チャンピオンシップ「ひまわり賞」
(小倉競馬場、芝1200㍍)でも、断トツの人気に
応え楽々と1着でゴールした。
実は、このレースに勝つことは土屋さんの長年の夢だった。
かつて軍馬生産が盛んで競馬場もあった都城盆地に、兄が牧場を開いたのは
1950(昭和25年)年ごろ。
土屋さんは毎日学校から帰ると、馬に乗って遊ぶのが
楽しみだったという。
50代半ばで都城市役所を早期退職し、それからは牧場の経営に専念。
ひまわり賞を目標に、長男と二人三脚で繁殖牝馬4頭と
子馬の世話を続けてきた。
2013年春に誕生したキリシマオジョウは大柄で負けん気が強く、
当初から目を引く存在だった。
霧島山麓の雄大な自然の中で2年間健やかに成長し、今年6月に滋賀県の
栗東トレーニングセンターへ移った。
そこで三股町出身のベテラン調教師・橋口弘次郎さん(69)の調教を受け、
順調に才能を開花させている。
ひまわり賞での勝利は、くしくも橋口さんにとっての通算千勝目。
この馬の素質を認める橋口さんは「次のレースで成績が良ければ、来春の
桜花賞(G1)まで行きたい」と話したという。
周囲の期待が高まる中、土屋さんも「都城産のキリシマオジョウがどこまで
通用するか、これからが楽しみ」と目を輝かせる。
(宮崎日日新聞 9月7日より抜粋)
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