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高鍋町 音楽で周囲を元気に [高鍋町]






 4月上旬、石井十次の生誕記念式典が開かれた高鍋町中央公民館に澄んだ歌声が響き

渡った。十次の生涯を歌う「石井十次」(作詞安田尚義、作曲加藤二郎)。

指揮するのは柿原サエさん(91)だ。


 歌は十次生誕100年の1965(昭和40)年に作られた。同年4月、高鍋西小の

講堂であった記念式典で初めて披露された時、当時教員として勤めていた

高鍋東小児童による合唱を指揮した柿原さん。以来、50年間、

十次関連の催しで指揮を務めている。


 終戦前は台湾で暮らしていた。「自宅にオルガンがあって教員だった叔父がよく弾いて

くれた」。見よう見まねで鍵盤を触り、台北の師範学校に入ってから本格的に

音楽を学んだ。終戦後は児湯郡内の小学校で教壇に。

生きることに必死で勉強する余裕すらなかった当時の子どもたちは「音楽に飢えていた」

といい、柿原さんが童謡を歌って聴かせると目を輝かせたという。


 「皆の音が重なった時のハーモニーと歌詞から受ける感動を伝えたい」。積極的に

合唱コンクールに出場し、退職後は十次の顕彰活動のほか、ガールスカウト

県連盟の連盟歌を作ったり、同町赤十字奉仕団の活動で

歌を指導したりと幅広く活動。

同連盟リーダーの野崎弘美さん(39)は「何事にも熱意を持って

取り組む姿勢に刺激を受けている」と語る。


 現在、十次の歌は町内の3合唱グループと同奉仕団の有志でつくる「石井十次を歌う会」

が歌う。「先生は音楽の楽しさを教えてくれた人」と話すのは同会メンバーで、

柿原さんの教え子でもある簑毛明子さん(78)。「歌は時空を超えて心に残る。

ただ歌うのではなく心を一つに、歌詞の意味を考えながら」と

指導する柿原さんに、メンバーの松田秋子さん(80)は

「『歌は心』と教わった」。

1番は少年らしく2番は燃えたぎるように、3番は祈りを込めて。

チームの気持ち一つで歌声が変わるのだという。


 周囲に元気を与え続けている柿原さん。自宅のピアノの上にはガールスカウト日本連盟

県支部初代支部長・野村芳江さん(故人)と石井十次顕彰会初代理事長・

尾崎一男さん(同)の写真が飾られている。

「何事にも一生懸命に。心を大切にすることを教えてくれた人たちよ」。

人生の師から受け継いだ姿勢を、音楽を通して次の世代へと伝えている。






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