都城市の都城島津邸(宇都弘次郎館長)は、
国宝や重要文化財(重文)といった国指定文化財を適切に保存展示できる施設であると
国が証明する「公開承認施設」に認定されました。同施設認定は県内で初めてです。
国指定の文化財を展示する際に必要な手続きを簡素化できる上、
対外的な信頼性も高まるため、他施設が所蔵する貴重な資料を借りて
より展示しやすくなるといった利点があるといいます。
公開承認施設になるためには、収蔵庫や展示ケースの温度や
湿度を一定に保つ設備を供える、5年間以上務める学芸員が
2人以上いることなどの条件を満たす必要があります。
同邸内の「都城島津伝承館」は、同施設認定を前提に設備しています。
開館5年を過ぎた今年7月に申請し、8月末に
全国で144番目の承認施設となりました。
承認施設は重文などを公開する際、従来必要だった国への許可申請が
原則不要となるほか、他施設から資料を借りる場合は梱包(こんぽう)や運搬費、
応急修理といった費用の一部について国の補助が受けられるようになります。
学芸員でもある山下真一副館長(51)は「国宝や重文といった
なかなか見られない貴重な資料を展示し、
市民に見てもらえる機会が今まで以上に増やせそうだ」と話します。
今後、同館は10月17日から始まる
特別展「江戸時代の地図作成と地誌編さん事業」で国宝「伊能忠敬像」を
展示するほか、来年度は国宝や重文を並べる
企画展(テーマ未定)も予定しています。
(宮崎日日新聞 9月25日 抜粋)
コメント 0