防衛省は13日、12日に消息を絶った
海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)所属の練習用ヘリコプターの残骸を、
えびの市昌明寺の山中で発見しました。
乗員3人は現場付近で見つかり、いずれも死亡が確認されました。
ヘリは何らかの理由で墜落したとみられ、防衛省海上幕僚監部の航空事故調査委員会は、
原因究明に向けて現場調査に着手しました。
ヘリの捜索には、陸、海、空の3自衛隊のほか、県警などが加わって13日朝に再開。
付近でヘリが消息を絶ったとされるえびの市内堅のJR真幸駅駐車場に
現地対策本部が設置され、捜索活動が展開されました。
午前9時20分ごろ、上空からの捜索で同駅から北東2.5キロの位置で、
機体番号が書かれた破片などが散らばっているのが見つかりました。
鹿屋基地によると、事故現場は標高616メートルの国有林内で、
ヘリが空自のレーダーから消えた位置と近いといいます。
ヘリは機首の方から地面に向けて落下し、機体の一部が木々に挟まれていました。
ヘリに乗っていた訓練生で20代の男性2曹=群馬県出身=が機体の外で、
機長の山本3等海佐(39)=長崎県出身=と、40代の男性3佐=静岡県出身=の
2人は機体の下敷きになって見つかりました。
いずれも心肺停止で、病院に搬送されていました。
海上幕僚監部広報室と同基地は遺族の意向を理由に、
機長以外の氏名や年齢を公表していません。
同基地などによると、調査委メンバーが数日間かけて調べた後、
機体を同基地に運ぶといいます。
3人が所属する211教育航空隊の関係者らからも聞き取り調査します。
中谷元・防衛相は13日の記者会見で「誠に残念」と述べ、
武居海上幕僚長は「
隊員が死亡したことを厳粛に受け止め、
事故原因の究明と再発防止に努める」、
同基地第1航空群の園田司令は「
皆さまに不安を与え、申し訳ない。
事故の再発防止に向けて原因を追究していきたい」とコメントしました。
ヘリは12日午前9時19分に訓練のため鹿屋基地を離陸。
午前11時5分、鹿児島県伊佐市上空での無線交信を最後に連絡が途絶えました。
飛行計画で予定していた鹿児島県出水市上空が天候不良だったため、
飛行中にルートを変更すると鹿屋基地と鹿児島空港に伝えていました。
訓練は、学生が地形を目視し自分の位置を把握して飛行するのが目的だったといいます。
宮崎日日新聞 2月14日より抜粋